映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

オールユーニードイズキル 洋画

オール・ユー・ニード・イズ・キル Edge of Tomorrow 2014年 アメリカ映画

監督 ダグ・ライマン
出演 トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン

トム・クルーズ主演のスカッと爽快なタイムリープSFです。気楽に観たかったので吹き替えで観ました。

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映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

オールユーニードイズキル

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』あらすじ

エイリアンに征服されかかっている近未来の地球。人類は前回の戦いで得た勝利をバネに、最終決戦に挑もうと、国際的な連合軍をロンドンに集結させていた。そこに米軍所属の報道官であるケイジ少佐がやってくる。
全軍を率いる将軍に前線での軍事記録を命じられた少佐は、危険な戦闘に加わりたくないあまりに脅しをかけて逃れようとするが捕らえられ、2等兵として前線に送り込まれてしまう。翌日にはフランスでの戦闘がはじまる。装備のことすら何一つ知らない腰抜けの少佐は初戦であっけなく命を落とすが、その刹那巻き添えにした敵の体液を浴び、次の瞬間には前日にタイムリープしていた。
わけもわからず前回の失敗を避けようと行動するものの、やはり死んでしまい、再び前日軍についたところまで時間を戻ってしまう。少佐は何度も死に、なんどもおなじ2日間を繰り返すーーーー。

小物主人公の勇気と突然のタイムリープで物語に引き込まれる

オールユーニードイズキル

主演のトム・クルーズといえばいつも戦いのスペシャリストって感じで、スマートで勇気があって、とにかくかっこいいですよね。

でもこの映画のトムは、いつもの若々しさもそんなにないし(なんかつるっとしてない、でもこの油の抜けた感じもよい! 軍服文句なし♡)、戦うのが嫌だってすんごいごねてて。軍に連れて行かれてからも権力に頼ろうとしたり、ビクビクしてます。戦いの経験がないので装備(簡単なガンダムみたいなのを装着して戦う)にも不慣れで、あろうことか安全装置の外し方もわからないという…!

わー、他人事ながら怖いよ! いつものトムじゃないよ!

でもそうは言っても、「最初の死に様」はなかなか、いやかなり勇ましかったと思います(この死ぬとこちょっとグロいので苦手な方は注意です…)。このシーンはそのせいでタイムリープするようになるということと、この後ラストまでの彼の行動に説得力を持たせるいいエピソードだと思います。

なんども繰り返される同じ戦場での2日間。

少佐は前と同じ失敗を繰り返さないようにするうち、だんだんと銃器や装備の扱いにも慣れてきます。

その間、前回の戦いの勝利に多大な貢献をした「ヴェルダンの女神」・リタを戦場で見かけなんとなく助けていくうち、何度目かの死の前に、彼女が言うのです。「次に目が覚めたら、私を探して会いにきて」と。彼女はこのタイムリープの謎を知っているのか…?

ゲームみたいな「you died…からのcontinue!」感

オールユーニードイズキル

ここからがいっそう楽しくなってきます。リタに会うためだけにつまらないリセットしたりして、いけないけどちょっと笑えたり。これからどうなるかわかっているからする工夫が、なんか爽快感があります。リタに会ってからも、エイリアンを倒すために、二人はおびただしいトライ&エラーを繰り返し、少佐は戦いの訓練もして。

はじめはリタが何もかもを把握してるような気がするのですが、少佐がたくましく強くなるにつれ、だんだんと立場が逆転していくのも見所かなと思いました。

はじめは少佐と一緒に経験しとまどっていた観客が、やがてはタイムリープできないリタと同じ目線になり、未来を昨日経験している少佐を頼るような気持ちになってくる。少佐の言動に、少々の不安を覚える。「ここには何回来たの…?」そんな感じに。

何度もなんどもリタと先に進もうと共闘して来た少佐が、ついに彼女なしで探索に行くエピソードも良かったです。

同じやり方では、死に際に心を開いた彼女をどうやっても死なせてしまうから、条件を変えてみたってところでしょうか。そのトライでは他のことには一切目もくれない、っていう描写も際立っていました。どうせ今回は捨て回だ、とでも言うかのように。

そしてそのとき…、戦闘のトライアルで怪我をした少佐をそのたびリセットさせてきたリタの感覚もわかるような気がして、ちょっとだけゾッとしました。

まるでゲームみたいなんです。。なんど命が尽きてもまたnew gameがはじまるし、プログラミングみたいにおなじ攻撃を受けるから、レベルアップした今の自分なら前失敗したところなんか簡単にクリアできるし。自分のもひとのも、命が軽かった。。通り過ぎる知らない街の風景みたいに。

…たぶんそれは、このシーンで言いたいこととは少し違うとは思いますけど。それだけ、個人の生き死によりも人類全体の歴史、存続の方が大事だという軍人としての意識の高さなのでしょうけど。

平和な世界で安穏として生きる身には、非情すぎて怖いといいますか。。。リタにとってはいつもそれがはじめての少佐の始末なのに、それにためらいがないのが、タイムリープの主観的な経験者だからだとしても、なにかこう…、戦争って無感覚になるんだな、と。。

リピートの面白さ

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この繰り返し全体がくどいという意見もあるみたいですが、私にはほどよいものに思えました。

最初の方の繰り返しだって、少しずつ違って行く様子が興味深かったですし、途中からはどこから繰り返しを見せるかっていう編集の巧みさで繰り返しを強調しながらスピード感も感じられました。

まったく同じことをなぞりながらも、次第に成功に近づいて行く様子が見られるのはこの映画の醍醐味のひとつではないでしょうか。

そして同じ2日間を同じ人の中で繰り返すうちに、所属する部隊にも、あの軍曹にさえも愛着が湧いて来ました。

少佐だけが行動を少し変えることでその結果が微妙に変わることも、何度も言ってしまってますが、ほんとうこれが面白いです。タイムリープものにはまってしまいそうなくらい。

最高のラストシーン

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そして少佐はタイムリープ能力を失って、最後の戦いに挑むのですが…。これはなかなか力が入りました!

こういう映画によくあるといえばそれまでなのですが、自分はもうダメだからせめて足止めを、なんていうあのひとたちもいたりして。

そして最終局面、リタはふたりとも生きてここを出ることはないのだとお互いの覚悟を確認する。。。最終的に計画を実行した少佐のしたり顔には、なかなかきゅんとくるものがありました。

そして。。。最後はどうなるのでしょう。。。

ひとつ言えるのは、あのラストシーンのトムの顔を観れて、ほんとうによかった…!

あのなんとも言えない表情。最初見た時、つるっとしてないと思った年相応の感じのトムのあの顔がほんとうに愛しかったです。

とってもおもしろかったです。

 

少佐をリセットした後、リタとか地球の未来はパラレルにものすごい数存在するのかな?と一瞬思いましたが、少佐がいないってことは人類は滅ぶってことなので、そして地球の命も遠くなく尽きるってことなので、どちらにせよ『未来』は一通りしか存在しない、ってことになるんでしょうか???
あと、少佐がリタのミドルネームを結局一度も呼ぶことがなかったのが少々心残り…。でも、いつ呼べばいいんだろうと考えると、呼ぶ時ないんですよね…💦
あの最後の戦いの別れ際だとなんかつまんない感傷って感じもして覚悟の美しさが損なわれるし、ラストシーンでは『何も言葉が出なくて』あの表情をするっていうことが、あの素晴らしい余韻につながるわけだし…。
だからけっきょく、これがベストなんですよね〜。このあと好きなだけ呼んでるって想像してまんぞくします。

原作小説

ハリウッドのアクションSFみたいなものにしては、ちょっと変わった感じの感情をくれたなあ…と思ったら、これは日本のライトノベルが原作だったんですね。なるほど。。内容はかなり変わっているらしいですけど。。。。その小説も読んでみたくなりました。

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