映画『アクアマン』≫無敵で余裕のカッコ良さ!

アクアマン 洋画

アクアマン 2018年 アメリカ映画

監督:ジェームズ・ワン
出演:ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、ウィレム・デフォー

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アクアマン

Warner Bros 公式チャンネルより

細かいことは考えず、無敵で余裕のアクアマンのカッコよさに浸りましょう。

アクアマン あらすじ

アクアマン

灯台守りと海底の王国の王女が結ばれ、生まれたアーサー。水族館でその秘められた能力を開花させてからは、海賊に襲われた潜水艇を助けるなどしつつ、逞しくも穏やかに過ごしていた。
しかしある時、海底王国の王が地上に戦争を仕掛ける計画を立て、それを止めて欲しいと海底人の美しい女性が現れて。

アクアマン 感想

アーサーの健やかさ

アクアマン

どうやらアメコミ原作らしい『アクアマン』。アメコミといえば、両親や身近な人物との不条理な別れや、後悔の残る最後がよく描かれますよね。スパイダーマンとか。
でも、『アクアマン』にはそういう隠に籠もった背景はありません。

嵐の夜に波打ち際に流れ着いたお母さんと、灯台に住む実直そうなお父さん。
二人は世間と隔絶した環境で愛を育み、アーサーが生まれてしばらくのちに、お母さんは王国からの追手を収めるため海底へ戻ってしまいますが、その時アーサーはまだ幼く、両親を傷つけるような言葉や行動を取っていません。
「私を忘れさせないで」というお母さんの願いどおり、お父さんは常にお母さんの話をアーサーにし続け、最後に別れた桟橋に朝夕たたずんでいます。
お母さんはいませんが、二人分の愛情に包まれて育ち、大人になった今もいっしょに飲みに出るなど、とても仲の良い親子関係です。

だからこそ、自分が母の命を奪ったにちがいない、という思いに苦しむアーサーなのですが。

アーサーは人助けをしていますが、そのことを大袈裟なことと考えている様子がありません。人にそれをひけらかすこともありませんが、指摘されて否定することもなく、ほんとうに自然体です。

また、あとで良くない芽に育ってしまったエピソードではありますが、最初の方で海賊に助けを求められても安易に手を貸さないところが、個人的にとても好きです。「ちょっとくらいならいいか」と悪に加担したり、弱さにつけ込まれて流されるアメコミヒーローもけっこういる中、この部分でも珍しいタイプのような気がします。善と悪をしっかり区別し、揺れません。

とはいえ、清廉潔白で賢い完全無欠のヒーローというわけでもなく、気さくで少し下品なところもあり、完全に本能で動くタイプなところもアーサーの魅力です。あのルックスから想像できる通りの野生児っぽさで、王族との対比も明確になっています。
この王子との戦いの直前に、お前は一人じゃないと伝えたかった、と言ったシーンでは、アーサーの暖かくて思いやりのある性格が感じ取れました。

そもそも、主演のジェイソン・モモアのインタビューをチラッと見て、この見た目がすごく好きだと思っていたんですよね。アーサーの性格も好みだったので、ますます「カッコいい・・・」という独り言が止まらないのでした。。

深海の王国

アクアマン

超古代に海に沈んだ伝説のアトランティス大陸のことは、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。

『アクアマン』では、そのアトランティス文明が海に沈んだ後の人類が独自の進化を遂げ、水中で呼吸や会話ができるようになったのみならず、地上以上の文明が発達しているーーーという設定になっています。しかも、王国はいくつかにわかれており、魚の姿に近いもの、甲殻類のもの、知性を失ったもの、など、それぞれの生命がそれぞれの文明を持っています。

この辺りは、現代に至っても人類が海底のことをほとんど知らない事実があるので、想像すると楽しい気持ちにもなります。
環境破壊についての問題提起がされているのもアメコミらしく、そこは考えさせられます。

ところで、この海底王国は、童話の『人魚姫』(ディズニーの『リトル・マーメイド』はアトランティスの王女でトライデントもキーアイテム)や映画『スプラッシュ』(トム・ハンクス主演の人魚との恋愛を描いたファンタジー)で描写されたような中世依然としたものではありません。

そこには、あたかもSF映画に出てくる異星人の高度な文明のような世界が広がっています。私にとって、これはとても新鮮でした。

旧市街のような場所にはそれなりに、沈没した古い豪華客船を隠れ家にしたりなどというエピソードもありましたが、出入国システムや王宮、乗り物、科学技術に関しては地上ではいまだ実用化されていないようなハイテク技術満載です。水を特殊に変換させたものなど・・・恐ろしいです。

しかし初めて王国へ入るときの映像は色も造形も美しく、巨大な世界に圧倒されます。独自の進化を遂げた超文明は一見の価値ありです。

アクアマンの脇を固める俳優たちと演出

アクアマン

このところ私が観る映画によく出てくるウィレム・デフォーは、王国の宰相的立場にありながら半分地上人であるアーサーを王子と呼び、子供の頃から鍛えてくれたお師匠という役どころでした。捕縛される前に、キッパリと王に断言する姿に痺れます。
また、アーサーがあれほどうまく水の中で泳ぎ戦えるのは、彼のおかげだったのでした。訓練中の波打ち際のエピソードが最後の局面で生かされたのには、期待していた分、ものすごいカタルシスがありました!

アーサーの母親役はニコール・キッドマン。相変わらずの美しさ。そしてそれだけにとどまらず、はちゃめちゃに強くて素敵過ぎました。夫と暮らす灯台に王国の追手が来たときの身のこなし、痺れます。
『裏切り』に対する王国の残酷な仕打ち、日本人にはかなり理解が難しいですけど。でもそれも母の強さを裏打ちするエピソードになっており、最終的には良かったです。

王女・メラ役のアンバー・ハードはかなり美しくて、髪が水にたなびく様子にうっとりがとまりませんでした。アーサーに対して「カッコいい」と無意識に言ってしまったのと同じくらいの回数、アンバーに対して「きれい・・・」と独り言を言ってました。
しかも、メラってとんでもなく強いんですよね。たびたび戦うシーンがありますが、鮮やかな切り返しが爽快です。水を操る特殊な能力もあって、その強さを終始楽しく応援できました。

他にも敵対する王子の微妙な表情の多弁さなど、全員の役作りがしっかりしているので、最後までこの世界にどっぷりと浸って楽しめます。

演出はなんとなく・・・インド映画を思い出してしまうムードもありつつ。
最近ではちょっと照れちゃってできないな〜なんて思ってしまような『キメキメ』の味付けでした。でもこれがまた、男臭いアーサーにハマっちゃうんですよね。
アクションシーンのメリハリの付け方はもちろん、着水や着地、泳ぐポーズの美しさは目を引きますし、感情表現の描写はアメコミの様式美も感じます。
トライデント越しに目だけが光るアーサーの顔のカッコよさは何度見てもため息。
・・・でもまあ、なんといってもラストシーンですよね。
あれはポスターにして部屋に飾っておきたいコテコテのカッコよさがありました!

アクアマン 感想まとめ

アクアマン

自業自得、そう思わずにはいられない逆恨みの土偶マン(と個人的に勝手に読んでいる海賊、あのコスの圧倒的ダサさはいかがなものか)の存在が続編を期待させますが、待っていてもいいのでしょうか。

日々のいろんなことを忘れて、ただ単純に海底の超文明に想いを馳せたり、爽やかで強いヒーローの活躍に胸を躍らせたり、女性たちの賢く強い行動にスカッとできる素晴らしい娯楽映画でした。
こうなってほしい、あれを伏線で生かして欲しい。
そんなことが途中でいろいろ出てきましたが、それが全部丁寧にすくわれているという意味でも、全くストレスがありません。(特に嬉しかったのは、両親のことと伝説の怪獣が孤独のままにならなかったこと)

小難しいことや日常を忘れて楽しめる、超おすすめの映画です。
途中で『ぽにょ』っぽかったり、『グーニーズ』っぽかったりがあるのも、この映画に親しみを感じる理由かもしれません。

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