友麻碧・著『かくりよの宿飯三 あやかしお宿に好敵手きました。』
KADOKAWA 富士見L文庫
かくりよの宿飯シリーズ第3巻。
<あらすじ> 隠世にも本格的な夏がやってきた。食事処”夕がお”での営業もすっかり軌道に乗ってきた葵は、約束だった天神屋の会席もいただいて、すっかりやる気に満ち溢れてきた。しかし同じ日に天神屋にやってきたお客様二組が波乱を呼んで・・・。
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のっけからたくさんの美味しそうなパンの群れに溢れる唾を抑えられない・・・・! 和風のおかずの入ったパンってあんまり食べたことないかも。でも想像できてしまうので美味しそうでつらい・・・。
この朝の風景大好き。仲良くなったみんながきて、いっぱい食べてる様子は、まるで自分もそこにいるような気がしてとても楽しいのです。
『ござる』をうまく使えてない御庭番のちいさい子達ほんと可愛い。でもやっぱりいちばん可愛いのはサスケ君だけども。パンはパンでも・・・っていう。まったく今回もきゅんとしました。
さりげなくいつのまにかいる大旦那様の、奇妙に上品な様子も好き。パンの好みがおなじで『わかる!! 大旦那様!!』って思いました。
さてさて。
葵はいつかの約束通り、天神屋で季節の会席料理をいただくのですが、お料理だけでなく、なんと宿泊もしてひととおりのプランを体験できるという・・・! Oh、贅沢。温泉にも入るのですが、甘夏風呂ですって。なんて・・・いい香りがしそうなの・・・。
お風呂から上がったらついにお楽しみの会席。大旦那様と味わうのですが、食事の前にのっぺらぼうの仲居たちに綺麗にされてちょっと気恥ずかしくなったりして。。。なんかだんだんちょっと甘い感じがしてきてる気がしますねっ。
なんだかんだで大旦那様とのやりとりが楽しかったり、そばにいると安心していたりな葵です。ふたりいっしょにいる場面はどれもなんか可愛くて楽しい。しゃきしゃきしてる葵とゆったり見守る大旦那様。
現世にでかけた大旦那様とLINEみたいにやりとりしてるのも、別に甘いことなんか言ってないのにニヤニヤしてしまう。
怖い鬼で権力者の大旦那様が葵の前だとこどもみたいに可愛かったりして。。。
でもやっぱり大旦那様はいそがしいので、あんまりいっしょに行動できず、まだまだちょっと遠いかなーって感じです。ともすれば暁の方が葵と付き合ってそうな気がする時があります。(ごめん、大旦那様)
お客様のうち、若女将の親戚の一つ目一行の”事件”で天神屋の地下と、周囲の崖の謎がちょっとだけ明らかになります。なかなか興味深いこともあって。。。今後、この謎も明らかになるのでしょうか。
さて、もう一組のお客様は、南の地の『折尾屋』の番頭・葉鳥さんと、筆頭湯守の時彦さん、犬の”ノブ先輩”でした。
天神屋の湯守・静奈ちゃんと時彦さんの関係のもつれが縦糸で、そこにいろいろな出来事がからんでくるこの巻は、さらに物語が大きく動き出していく感じです。
そうそう、例の金髪のおかっぱの女の子もすこしだけその正体がわかります。・・・まだまだ謎だらけな上にあんまり好きではないけど(わはは)。でも、これまでもよく知るまでは好きじゃなかったキャラいたので、これから知っていって好きになれたらいいなと思います。
あと、好きだったのは銀次さんが弱るエピソードです。銀次さんが絡むとこどもみたいに弱くなる葵にとって、銀次さんって・・・例えば父親のような存在なのかなあと思いました。絶対的に守ってくれて頼りになる存在。。。
それと、弱ってる銀次さんを見ておいて、って頼まれて体育座りしているチビを想像してきゅんってなりました。あざといんだけど、チビって場をほのぼのとさせるマイペースさがいいし、ちんまりしていて可愛いんですよね。きゅうりを与えてみたい。。
物語の最後で大変なことになってしまい、次巻がものすごく気になる! これをリアルタイムで読んでたらもうジリジリしたでしょう。。しかし、いまなら8巻まで出てますからね♪ まだの方が購入されるというときはまとめ買いをお勧めします♡
今回のごはんも、贅沢なものからBBQメニュー、夏のスイーツまで盛りだくさんで本当に本当に美味しそうでした!
和風惣菜パン、豆パン、たまごサンド、梅ザラメせんべい、天神懐石『葉月』のいろいろ(もろこし天ぷら食べたすぎ)、オクラの肉巻き定食、トマトのシャーベット、コーン入りかぼちゃコロッケ、夏野菜と梨のチキンカレー、抹茶のわらび餅、特製しろくま、冷や汁、鮎の塩焼き、肉団子入りうどんナポリタン、BLTサンド(B=豚肉の生姜焼き)。
肉団子入りうどんナポリタンとかずるい。。。美味しいに決まってる! 例のカリオストロのパスタのイメージです。。。
思うんですけど、いつか『かくりよの宿飯』に出てくるメニューを実際に作ったレシピ本が出ればいいと思うんですよ!!!! 美味しそうな写真とレシピ、、、ごっくん。友麻先生がわりと毎回調味料も書いてくださってるので、本を見ながら作れそうかなーとも思うのですが、料理本を眺めて想像するのが大好きなので、ぜひお願いしたいです。・・・出版社にお手紙しようかな。