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ライトノベル

かくりよの宿飯十二👹『あやかしお宿の回顧録。』

かくりよの宿飯 感想

『かくりよの宿飯』本編完結後のその後第二弾『あやかしお宿の回顧録。』の感想です。

この本は短編や短編までもいかないSSなどがまとめられた内容で、流れはあるものの、一つの大きなお話はありません。葵が隠世に来てからのいろんな時期のことが描かれています。

野分の代弁者
こんにちは、野分です。

SSを編集したものなので、それほど没頭する感じはありません。

ですが。
ですが、なのですびっくり

本編でずっと物足りなかった大旦那様と葵のニヤニヤ成分が増量されています。

かくりよにしては、という注釈はつきますが、葵がちゃんと大旦那様に愛情表現をするところが見たかったので、それだけでも買ってよかった、と思いました。

次からは中編程度の長さのお話が読めるかも?、と希望が持てる展望もありました(●´◒`●)

かくりよの宿飯

友麻碧・著「かくりよの宿飯十二 あやかしお宿の回顧録。」

SSは、現世で暮らすあやかしたちの手引きとなるよう、人間の葵の感覚を鈴蘭さんへの手紙にしたためるーーーという趣向で、時系列にまとめられています。

それぞれ新刊発売時の書店特典だったりして、全部読めた人もいるのでしょうが、田舎に住む私はほぼすべて初めて読んだものでした。

以下に、この本に収められたSSのタイトルと初出をまとめます。

「かくりよの宿飯十二 あやかしお宿の回顧録。」

プロローグ

第一話 隠世で頑張ると決めた日
かくりよの宿飯一巻刊行記念・書店特典(2015.4)
第二話 夕がお前日譚
かくりよの宿飯五巻&コミックス一巻発売記念・書店特典(2016.11)
第三話 カマイタチの朝食
かくりよの宿飯二巻刊行記念・書店特典(2015.9)
第四話 葵と大旦那の妖都土産散策
かくりよの宿飯一巻刊行記念・書店特典(2015.4)
第五話 白夜と管子猫とメロンパン
かくりよの宿飯三巻刊行記念・書店特典(2016.2)
第六話 お涼のダイエット計画
書き下ろし
第七話 マッド菜園ティスト静奈
書き下ろし
第八話 大旦那とチビとじゃがいも
かくりよの宿飯七巻刊行記念・書店特典(2017.11)
第九話 チビと天神屋のあやかしたち
かくりよの宿飯三巻刊行記念・書店特典(2016.2)
第十話 大旦那と白夜と着物
かくりよの宿飯七巻刊行記念・書店特典(2017.11)
第十一話 葵と銀次とインスタントラーメン
富士見L文庫5周年フェア特典(2019.6)
第十二話 大旦那、旧友とコンビニグルメについて語らう。
浅草鬼嫁日記・カクヨム版番外編(2016.6)
第十三話 大旦那が我が家に一泊した話
『Laruha作品集 椿とスノードロップ』寄稿掌編(2019.8)
第十四話 大旦那様の看病をする。
友麻碧3ヶ月連続刊行フェア特典(2019.8)
第十五話 葵、探偵になる。
書き下ろし

エピローグ

番外編 かくりよの宿飯 アニメ化記念SS
かくりよの宿飯のアニメが始まるらしいので。その一~三
かくりよの宿飯八巻発売&テレビアニメ化放送開始記念コラボ・書店特典(2018.4)

かくりよの宿飯×浅草鬼嫁日記 その一
大旦那様のおつかい
雨の夕方、鬼の旧友
かくりよとうつしよ、二人の鬼嫁
かくりよの宿飯五巻&浅草鬼嫁日記一巻発売記念コラボ・書店特典(2016.11)

かくりよの宿飯×浅草鬼嫁日記 その二
天神屋の大旦那、現世の旧友にお中元を贈る。
天神屋のサスケ、千夜漢方薬局の深影と仲良くなる。
かくりよの宿飯六巻&浅草鬼嫁日記二巻発売記念コラボ・書店特典(2017.5)
天酒馨、天神屋の大旦那の健闘を祈る。
友麻碧3ヶ月連続刊行フェア特典(2019.9)

結構「浅草鬼嫁日記」とのコラボ多めなので、そちらのファンの方には二度おいしい内容かもです(●´◒`●)

あやかしお宿の回顧録。

回顧録というだけあって、物語のかなり初期から本編終了後までの長い期間を振り返る内容になっています。

「第一話 隠世で頑張ると決めた日」は、一巻の最後、カレーの食材を買って隠世に戻ってきてからの短い時間の話。大旦那様とチビの初顔合わせなど。。

チビの大物っぷりが眩しい・・・。そしてそれにハマる大旦那様。

懐に入れた金平糖と、キラキラした銀天街、これから作るカレーを楽しみにする気持ち。
そんな思い出が綴られています。

「第二話 夕がお前日譚」は、タイトル通り夕がおが開店する前ののんびりした試行錯誤期の話です。お涼や暁といった顔見知りだけが食べに来て、銀次さんとアイデアを出し合っていた楽しい時間ですね。

大旦那様の苦手な食べ物がかぼちゃであることを知って、なんとか美味しく食べられるお料理は・・・などと考える葵。ただし、その機会は少し先のことになりましたが。(第六巻「あやかしお宿に新米入ります。」で一緒に食べました。感想はこちら

お関係性が楽しいお涼と暁が食べるごはん、すごくおいしそうです。身近な献立なのですぐにマネできそうなところも、かくりよ飯のいいところですよね。

「第三話 カマイタチの朝食」は、夕がおが開いて間もないころの朝のお話。小さい忍びの「ござる」の不安定さが好きなのですが、ここではコマチちゃんという幼い女の子の可愛らしさを満喫できます。

コマチちゃんとサスケくん、それぞれお好みの具を入れた卵焼きと揚げナスのお味噌汁で朝ごはん・・・。おいしそうすぎますっ。

そしてさりげなくもきちんとお礼するところ、さすがサスケくん。御庭番たちにはいつもほっこりさせてもらえます。

「第四話 葵と大旦那の妖都土産散策」は、「カマイタチの朝食」の直後くらいでしょうか。妖都の漬物屋さんでみんなへのお土産を選ぶ大旦那様と葵のお話です。

現世にあるはずのない奇怪なお漬物が楽しく、また従業員の好みを理解して喜んでもらえるお土産選びをする大旦那様が可愛いです。

「第五話 白夜と管子猫とメロンパン」は、バンを頻繁に焼きだしてからの夕がおでのお話。管子猫が出てくるからには、白夜さんも出てきます。

管子猫って裏の竹林には一杯いるっぽいのですが、なんと白夜さん、その一匹一匹に、認識した順で名前を付けているらしいことが判明します。・・・なんというw 見分けがついてるし、性格も把握しててすごいです。愛情の深さよ・・・。

可愛いものと可愛いものが可愛いものを食べてるほっこり感がいいです。

チビのフラットな感じは心地いいな、すぐみんなと打ち解けられるのわかるなあ、と思いました。

「第六話 お涼のダイエット計画」では、あやかしもやっぱり太るんだな・・・ってことがわかりました。お涼はいつも寝る前にギガ盛丼食べてますもんね。

あやかしも人間と同じダイエット方法でいいのかな・・・と思ったら、やっぱりあやかしだけの痩身術がありました。それをまじめにやるお涼と、つきあってくれる春日。この女子三人のわちゃわちゃ、楽しくて好きなんですよね。・・・でもみんなお嫁に行ったので、この先こういうのんきな日常は見られないのかもしれないと思うと、突如現実感が増しますなあ・・・。

「第七話 マッド菜園ティスト静奈」は、尖った静奈ちゃんの一面を楽しめるお話です。控えめでおとなしいイメージの静奈ちゃんですが、研究となるとまあまあアレなんですよね。

これを収穫できてたら、どのくらいの量の餡ができてたんだろう・・・。

折尾屋時代の銀次さんを知っているという部分も、また別のエピソードで広げてほしいなあと思いました。

「第八話 大旦那とチビとじゃがいも」では、探検家のチビと園芸家の大旦那様のほんわかしたやりとりを楽しめます。

小さいものに対して「手を洗いなさい」とか言ってる大旦那様にときめく・・・。

時々ドライなチビですが、言葉の端々からやっぱり葵のことが好きなんだなあと感じられて、それもまたほっこり。葵自身も無意識かもしれないつぶやきなんかを大旦那様に伝えたりして、なんかニヤニヤもします。

「第九話 チビと天神屋のあやかしたち」は、可愛さを武器に生きてきたチビの世渡り術(?)の一部を見ることができます。

チビはいつもあざといのですが、舌ったらずな語尾はわざとじゃなさそうですし、フラットともドライともいえる性格はやっぱり愛すべきもの。現世での過去を思うと、「いたいけ」という表現がぴったりだとも思えるのです。

それゆえの処世術。

大旦那様と話すと、「大旦那様とチビとじゃがいも」でもそうでしたが、彼の意外な面を引き出してくれる存在でもあります。ここでも、本編で大旦那様の気配が薄かった理由が、その男性らしい巨視的気遣いが感じられて・・・。また大旦那様のこともチビのことも好きになりました。

「第十話 大旦那と白夜と着物」では、大旦那様の『大旦那ルック』誕生秘話(?)がちょこっと語られます。

黄金童子と白夜さんと大旦那様、それから砂楽さんもかな、それぞれの最初の出会いが物語にならないかなあ・・・と思っています。以前ちらっと出てきた黄金童子の仕えるべき人(おそらく物故者)のこととか、その辺りのエピソードも知りたいし。。初期の天神屋のこと。

ここでは大旦那様がまだ小さい姿だった頃の、白夜さんとの語らいなどが描かれています。

「第十一話 葵と銀次とインスタントラーメン」は、読んでしまったら作りたくてたまらなくなる魅惑の袋麺(at 夜!)を銀次さんとすするお話です。この本の中でのおじいちゃんのレシピその2ですね。

インスタントラーメンを食べたことがなかった銀次さん。喜ぶ姿にとてもほっこりします。・・・と同時に、どんなものでもしょっぱさがあるとお酒の肴にしてしまうちゃっかりっぷりも楽しめました。

「第十二話 大旦那、旧友とコンビニグルメについて語らう。」は、浅草鬼嫁日記とのコラボです。現世出張中の大旦那様がサスケくんと一緒に馨の働くコンビニに出向いてコンビニスイーツをしこたま買うお話。大旦那様視点。

馨にしっかりフルラインナップ売りつけられる大旦那様・・・。現世の通貨はどうやって準備しているのだろ。

そしてそして!「第十三話 大旦那が我が家に一泊した話」は、われわれが待ち望んだニヤニヤがとまらない展開です。タイトル通り、葵の忘れ物を届けに来た大旦那様が訳あって帰れなくなり、現世の葵の家に泊まるお話です。時期としては、大学に復学して一年目の秋口ですね。

忘れ物を届けてすぐ帰ろうとする旦那様を、思わず引き留めてしまう葵。・・・ずいぶん可愛くなりましたなあ。。

用事を言いつけたりして平気そうな葵に、そんなものなのか・・・と思ってたんですけど。いよいよ暗くなってから急に『その可能性』に思い至り、謎の悲鳴をあげたくなるくだりはとてもニヤニヤしましたね( ´罒`*)✧”

とはいえ、たぶんわかっていての大旦那様の対応も安心感があってよかった。。

大旦那様にとって葵はやっぱり大切に守ってあげたいものであり、待ってあげたい相手なのだなあ・・・と思ったのでした。

翌朝の大旦那様もまたよかったですね! いつもは可愛い成分多めだけど、葵が切羽詰まったようなとき、ゆるりと心地よくさせてくれるところがほんとに素敵です。

そして、こんなになびかせておいてのあの去り方よ・・・。

余韻が残り、恋しさが増すシーンでした。

「第十四話 大旦那様の看病をする。」もまた、連続でのニヤニヤ展開でした。

こういう分野においては、大旦那様がかなり先を行っているのか。。。

それとも、現実的に(生々しく?)考えていないだけなのか。。。

葵だけが照れていっぱいいっぱいになっているこのラブコメの波動展開、堪能させていただきました。。。

「第十五話 葵、探偵になる。」は、不器用すぎる自分の態度や余裕のなさを猛省する葵のお話です。

お涼の悪ノリから・・・。うぶな(という表現がぴったり過ぎる)葵の大旦那様への想いは周囲にはわかりにくいのかもしれず、葵の内面の幼さも、友人であってもなかなか汲み取れないものなのかもしれないなあ、と思いました。葵の中のちいさいこどもは、恋人の大旦那様とか、『あの葵』に接した銀次さんくらいじゃないと見つけ出せないのかも。

そして、準備に長くかかるサプライズって、やっぱりむずかしいですよね。。葵の不安感をダイレクトに感じてつらくなりました。怒りよりも無力感や悲しみ、という感想が妙にリアル。。そして、そこからまた成長していこうとする葵の健やかさが眩しいこと。すぐ悲しみにとらわれてしまう自分を顧みて、反省しました。

こういうことをいくつか経験して、反省しあって、葵と大旦那様はいっしょに成長していくんだなあ。。。と思いました。

 

それにしても、さすがにこれをそのまま手紙に書いたりはしてないだろうな・・・とは思いました。だって赤裸々すぎますもんね∩^ω^∩

そして遠からず社員旅行で現世に行って、そして・・・。

楽しみ過ぎる今後にも期待が高まります(●´◒`●)

👹番外編 かくりよの宿飯 アニメ化記念SS

アニメ化を記念したメタな展開のSS篇。隠世でアニメを観ようとしたり、聖地巡礼で一儲けを企てたり。謎技術やたくましい葵が見られます。

クーポンシステムはいいなと思いました。妖都新聞にもつけるといいと思います!

👹かくりよの宿飯×浅草鬼嫁日記 その一、その二

かくりよの宿飯と浅草鬼嫁日記のクロスオーバーSS。

浅草鬼嫁とのコラボなので、舞台は現世です。なので、どちらかというと浅草鬼嫁ファンに嬉しい内容かなと思います。

大旦那様と現世の鬼二人のことって、浅草鬼嫁では詳しく語られているんでしょうか。そのあたりがわかっていれば、より楽しく読めそうです。

「かくりよの宿飯十二 あやかしお宿の回顧録。」感想まとめ

いろいろな時期の葵や大旦那様、天神屋のみんなの様子が読めて、ニヤニヤ成分もしっかり添加、可愛いものや美味しいものも出てきてタップリ楽しめました。

個人的にはあまり現世化しないでほしい隠世。どこまで独特のあやしおそろしの世界が続くかなあ、とハラハラしていますが、この先、社員旅行&現世でのいよいよ・・・(ということは隠世でも?)もありそうなので、また楽しみに待ちましょう(●´◒`●)

かくりよの宿飯

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